13日に開幕する大阪・関西万博には、各地の自治体がブースの出展や特産品の展示を予定している。9日には、石川県輪島市の伝統工芸「輪島塗」の大型地球儀が報道陣に公開された。福島県は、東日本大震災からの復興に取り組む様子を展示しながら、県産のモモをPR。徳島県は常設ブースで認知度を高め、観光客の誘致を目指す。
輪島塗の地球儀は直径1メートル。5年かけて制作された。輪島市の漆芸美術館に展示され、昨年の能登半島地震では被害を免れた。万博展示には石川県が協力。馳浩知事は「地震でも壊れなかった輪島塗の強さを発信したい」と強調する。食文化を体験できるブースでは、来場者に地酒の飲み比べをしてもらったり、地元食材を使った加賀料理を提供したりする。
福島県は7月に1日限定のブースを設置。東京電力福島第1原発事故の影響を映像などで紹介する。津波の恐ろしさを来場者に実感してもらおうと、ブースの柱には県内で到達した津波の高さを表示する予定。県の担当者は「福島の現状を正しく伝え、風評被害の払拭に向け訴えたい」と話す。特産品のモモの試食会も行い、観光客を大阪から呼び込みたい考えだ。
徳島県は、47色の藍染めで染め上げた壁紙に囲まれた常設ブースを出展。高さ3メートル、幅7メートルのスクリーンに「阿波おどり」や鳴門海峡の渦潮を体感できる映像を流す。ブースでは、徳島行きの高速バスやフェリーに1回500円で乗れるクーポンを配布。担当者は「万博は徳島への入り口。実際に徳島に来て体感してほしい」と語る。
市町村単位で出展する動きもある。北海道上士幌町は、内閣府のイベント「地方創生SDGsフェス」で、牛のふん尿を資源としたバイオマス発電などの取り組みを紹介する。担当者は「脱炭素に取り組む仲間を増やして、取り組みを日本全体に広げたい」と意気込む。
【時事通信社】
〔写真説明〕大阪・関西万博の会場で報道陣に公開された石川県輪島市の伝統工芸「輪島塗」の大型地球儀=9日午後、大阪市此花区
〔写真説明〕関西広域連合のパビリオンに出店している徳島県の常設ブース。47色の藍染めで染め上げられた壁紙に囲まれている=9日午後、大阪市此花区
2025年04月10日 07時07分