経済安保・対中国で手応え=自衛隊派遣の宿題負う―高市首相、初サミット終える



【エビアン時事】高市早苗首相が初めて臨んだ先進7カ国首脳会議(G7サミット)が17日(日本時間同)、閉幕した。米国とイランの戦闘終結合意で中東問題に注目が集まる中、経済安全保障面でエネルギー供給源の多角化や、対中国での連携を提起。その主張が成果文書にも盛り込まれたことで一定の手応えを得た格好だ。一方、ホルムズ海峡への自衛隊派遣の是非という重い宿題を背負った。

首相は閉幕後の内外記者会見で「今回の成果文書でG7としてエネルギー安全保障に向けた明確かつ一致したメッセージを世界に発信することができた」と意義を強調した。

最終日に発表された地政学的課題に関する首脳声明は、ホルムズ海峡の航行安全を確保するための多国間の取り組みについて「全ての機雷が撤去されたことの検証支援を通じ、海上交通の再開に重要な役割を果たす」と指摘した。日本の対応を直接縛る内容ではないが、国際社会からの派遣圧力が強まる可能性がある。3月の日米首脳会談でも自衛隊派遣が議論になり、トランプ米大統領が首相に「貢献」を求めていた。

首相は帰国後、機雷の有無や中東全体の安全状況を確認し、国内世論の動向も踏まえて具体的な貢献策を判断することになる。

一方、首相はサミット直前に英国とイタリアを訪れ、G7の結束確認に向けた地ならしを入念に行った。

スターマー英首相、メローニ伊首相との個別会談では、高市首相がレアアース(希土類)など重要鉱物の「共同備蓄連携構想」や、石油備蓄強化に向けた支援など「エネルギー安全保障3原則」を事前に説明し、理解を得た。首相周辺は「英伊訪問は事前の根回しの意味合いもあった」と強調した。

実際、首脳声明にはエネルギー供給ルートの多角化の加速が、他の成果文書には重要鉱物のバリューチェーン(価値連鎖)の重要性が盛り込まれた。日本政府関係者は「共同備蓄連携構想は各国が乗りやすいテーマ。世界にG7の結束を示すことができた」と意義を説明した。

首相は「アジアの代表」として、東アジア地域で覇権主義的行動を重ねる中国の動向も説明。日本の外交方針「自由で開かれたインド太平洋」構想への賛同も呼び掛けた。首脳声明は「法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の重要性」を強調する内容で、首相周辺は「重要な点は全て発信できた」と安堵(あんど)した。

◇笑顔で雑談も

サミット2日目のウクライナに関する討議はトランプ氏が遅刻し、開始が大幅に遅れた。各国首脳がトランプ氏を待つ間、首相はメローニ氏や欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長らと笑顔で雑談に興じた。同行筋は「各国首脳との間で、個人的な信頼関係が築けている」と語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕G7サミットの討議に臨む高市早苗首相=17日、フランス東部エビアン(代表撮影・時事) 〔写真説明〕招待国も含めたG7サミットの討議に臨む高市早苗首相=16日、フランス東部エビアン(代表撮影・時事) 〔写真説明〕招待国も含めたG7サミットの討議に臨む高市早苗首相=16日、フランス東部エビアン(代表撮影・時事) 〔写真説明〕G7サミットの討議に臨む高市早苗首相(手前左から2人目)ら=17日、フランス東部エビアン(代表撮影・時事)

2026年06月18日 08時32分


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