
高市早苗首相が、概算要求で過去最大の約143兆円に膨れ上がった2027年度予算への懸念払拭に懸命となっている。長期金利が30年ぶりの高水準を記録し、米国は日本に大規模な金融緩和と積極財政政策から転換するよう圧力を強めている。首相は高市政権の方針を国内外に丁寧に説明し、看板政策である「責任ある積極財政」を堅持したい考えだ。
「良いアイデア、良い政策であれば、本当に必要な予算額を要求して良いというルールに転換する」。首相は4日、自身のX(旧ツイッター)で政権の予算編成方針をこう強調。各省庁の要求額について「全部認められるわけではない」と精査する姿勢も示した。
概算要求は前年度の約122兆円から大幅に増加したが、首相は「補正予算依存からの脱却を進めている」と説明。従来の補正予算分を当初予算に組み込むことで「時間をかけて議論を重ねることが可能になる」と、むしろ「予算の規律」確保につながると力説した。
ただ、8月末に各省庁からの概算要求が締め切られ、総額が約143兆円に達することが報じられると、長期金利は3%台に上昇。財政規律への不安から市場が敏感に反応した形だ。
日本の金利動向は米市場でも注目されており、米経済への影響を懸念する見方もある。ベセント米財務長官は1日、日本に対し、財政拡張などに積極的な「リフレ政策」を「終えるべきだ」と伝えたことを明らかにした。
日本政府は、首相のX投稿をはじめ「火消し」(政府関係者)に躍起だ。片山さつき財務相は3日、首相への訪米報告の後、記者団の取材に応じて「(ベセント氏から)特に注文はない」と言い切った。首相周辺は「ベセント氏の発言は『タカイチノミクス』を支持することに力点がある」との認識を示した。
首相官邸幹部は「高市政権は『責任ある積極財政』だ。しっかりと説明していくということに尽きる」と語った。
【時事通信社】
〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=4日、東京・永田町
2026年09月05日 07時01分