エアコン商戦、はや過熱=省エネ新基準で駆け込み購入



夏のエアコン商戦が早くも熱を帯びてきた。来年4月に国の省エネ基準が厳格化されるため、価格の安い現行基準モデルが店頭から姿を消す前に駆け込みで購入する動きが広がり始めている。新基準を満たす省エネ性能の高い製品は価格帯が今よりも上がる見通しで、今夏はエアコンの売れ行きが例年を大きく上回りそうだ。

家電量販大手ビックカメラは4月から5月中旬までの1カ月半で、エアコン販売額が前年の同じ時期の1.5倍に増えた。基準の厳格化に伴う価格上昇は「エアコンの2027年問題」と呼ばれ、有楽町店(東京都千代田区)の売り場には「買い替えの検討はお早めに」などと購入を促すポスターを掲示。来店した30代の女性は「値上がりすると聞いて買いに来た」と話した。

猛暑が訪れる時期は年々早まり、ノジマも4月の販売台数が前年同月比1.5倍に増加した。今後、駆け込み購入が勢いを増すとみて、温盛元副社長は来春までのエアコン販売について「前年を大きく超える水準で推移する」と強気な見方を示した。

ノジマの担当者によると、シンプルな機能の普及モデルの場合、省エネ性能を新基準に適合させると、「価格が2万~3万円、あるいはもっと上がる」。中東情勢の悪化に伴うナフサの調達難で、エアコン部材の値上がりが見込まれることも追い打ちをかける。新基準適合品は電気代を抑えられるメリットがあるとはいえ、物価高の折、目先の出費を避けたい消費者は少なくなさそうだ。

来春以降、メーカーは新基準に満たない製品をほぼ製造できなくなり、新基準に適合した製品の投入を今後本格化させる。パナソニックは既に、半数近くの機種を切り替え済み。ダイキン工業は現時点で適合機種が全体の2割程度で、今秋から来春にかけて全面的に切り替える。

駆け込み購入の急増は、取り付け工事の遅れに拍車を掛ける恐れもある。さらに、ナフサ由来の取り付け部材が不足気味だといい、ヤマダホールディングスの広報担当者は「このところの人手不足に加え、今年は部材の入荷遅れが心配だ」と話した。

〔写真説明〕エアコンの買い替えを促すポスターが貼られたビックカメラ有楽町店の売り場=22日、東京都千代田区

2026年05月30日 14時32分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース