検察官抗告巡り賛否=再審見直しで参考人質疑―衆院法務委



衆院法務委員会は29日、再審制度を見直す刑事訴訟法改正案を巡り、参考人質疑を行った。再審開始決定に対する検察の不服申し立て(抗告)を「原則禁止」する政府案に、有識者から賛否両論が出た。

与党側参考人の池田公博・京大大学院教授は「検察官や裁判所の裁量に依存する属人的な運用から、客観的なシステムへの移行を図るもの」と評価し、政府案への賛成を表明。「十分な根拠がある場合」に抗告を例外的に認める政府案の規定は「多層的な検証の余地を残すことで(再審の)開始判断や最終的な無罪判断の確実性を高めるものだ」と指摘した。

上谷さくら弁護士は「安易な再審開始決定」は犯罪被害者の負担になるとして「抗告禁止には反対だ」と述べた。

一方、野党側参考人の鴨志田祐美弁護士と葛野尋之・青山学院大教授は、政府案では冤罪(えんざい)被害者の迅速・確実な救済は困難との見方を示した。鴨志田氏は抗告の例外規定について「検察官の自主規制に委ねるような行為規範であるとすれば、抗告禁止は骨抜きになる」と主張し、「全面禁止」を求めた。

葛野氏は、検察保有証拠の開示範囲に「関連性」などの限定をかけるのは「有罪認定に合理的疑いを生じさせる証拠が開示されないままに終わる恐れがある」と指摘。裁判所が証拠の一覧表の提出を命じる規定を設けるよう訴えた。これに対し、池田氏は「全証拠の一覧開示は過剰だ」と否定的な見解を示した。

政府案が禁じる証拠の目的外使用も論点となった。上谷氏は、性被害も含む事件当事者のプライバシーが証拠に多く含まれるとし、「目的外使用を認める意見には絶対反対だ」と強調。鴨志田氏は、再審請求審で「開始決定の妥当性を検証する機会が奪われる」と指摘し、禁止に当たるケースの「限定列挙」を求めた。

【時事通信社】 〔写真説明〕衆院法務委員会で発言する京大大学院の池田公博教授=29日午前、国会内 〔写真説明〕衆院法務委員会で発言する上谷さくら弁護士=29日午前、国会内 〔写真説明〕衆院法務委員会で発言する鴨志田祐美弁護士=29日午前、国会内 〔写真説明〕衆院法務委員会で発言する青山学院大の葛野尋之教授=29日午前、国会内

2026年05月29日 16時10分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース