協調介入、過去には高い効果=相場反転、持続性にばらつきも



外国為替相場の急激な変動を抑えるため、複数の通貨当局が連携して行う協調介入は、過去に絶大な威力を発揮してきた。市場の大きな流れが反転し、日本の産業構造に影響を及ぼした例もある。ただ、効果の持続性にはばらつきもあり、必ずしも「特効薬」とはならないのが実情だ。

潮目が変わった例としては、1985年9月の「プラザ合意」を受けた協調介入がある。米国の貿易赤字を減らすため、先進5カ国(G5)がドル高是正で一致。それまで1ドル=240円程度だった円相場は、翌年150円台まで一気に円高が進んだ。

輸出主導による日本の経済成長は行き詰まり、工場の海外移転で「産業の空洞化」を招いた。また、日銀は景気を支えるために金融緩和を行い、余剰資金が株や不動産に向かってバブル経済に突入。崩壊後は「失われた30年」と呼ばれる長い低迷に苦しんだ。

協調介入は、投機的な動きをけん制する役割も果たしてきた。2011年3月の東日本大震災後、日本の保険会社が海外資産を売却して保険金の支払いに充てるとの思惑から円高が進行。一時76円台を付けたが、先進7カ国(G7)による介入が歯止めをかけた。

一方、協調介入はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を変えるわけではない。アジア通貨危機による円安を止めるため、98年6月に日米が円買い介入を行ったが、効果は2カ月ほどで消失した。前年秋から日本の金融危機が深刻化しており、円売り圧力は止まらなかった。98年秋に米大手ヘッジファンドが経営破綻し、米国が利下げに踏み切ったことで円安は収束した。

日米が円買いの協調介入を実施したのはこの時以来。「日米通貨同盟の完成形」とされる今回の介入の成否判明には一定の時間がかかりそうだ。

2026年08月04日 07時09分

administration


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース