【パリ時事】パリ五輪開会式当日の26日、フランスは混乱に見舞われた。国内の高速鉄道TGV網が「破壊行為」に遭い、列車の運行が大幅に乱れて五輪の観客や関係者の移動に大きな影響が出た。セーヌ川を舞台にし、安全面が不安視されてきた五輪開会式への緊張は高まり、選手からは不安の声も聞かれた。
大会組織委員会は26日午前にメインプレスセンターで予定していた開会式に関する記者会見を中止した。「列車のトラブルとは関係ない」と説明。英BBC放送(電子版)によると、「鉄道運営会社と緊密に協力し、状況を把握している」との声明を出した。
競泳女子の鈴木聡美選手(ミキハウス)は「応援に来る家族が心配。なるべく心配せず、自分のコンディションに集中できたら」。日本選手団の尾県貢団長は「五輪では何が起こっても不思議ではないという心持ち。情報伝達、注意喚起で乗り切れると思っている」と冷静に語った。
〔写真説明〕26日、パリで、高速鉄道の列車の減便などの影響を受け、混雑するパリ北駅
〔写真説明〕26日、フランス西部ナント駅で、高速鉄道の運行が乱れ、案内表示を見る人たち
〔写真説明〕26日、パリのモンパルナス駅構内で座り込む人たち
2024年07月26日 20時35分