親中派復権に警戒感=16日、スリランカ大統領選



【コロンボ時事】スリランカで16日、シリセナ大統領の5年の任期満了に伴う大統領選が実施される。現職のシリセナ氏は出馬せず、ラジャパクサ前大統領の弟で元国防次官のゴタバヤ・ラジャパクサ氏(70)と、与党統一国民党(UNP)などが推すプレマダサ住宅建設・文化相(52)の一騎打ちの構図。ゴタバヤ氏の兄のラジャパクサ前大統領は強権の親中派として知られ、外交筋は親中路線復活を警戒する。

結果は早ければ17日にも判明する見通し。候補擁立が遅れたプレマダサ氏がラジャパクサ氏を追い上げているとみられている。

スリランカでは4月、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行を主張する同時テロが起き、日本人1人を含む250人以上が死亡した。ゴタバヤ氏は現政権の対応を批判。「国防を優先する」と述べ、国防次官としてテロ対策に当たってきた実績を強調している。

ゴタバヤ氏は当選後、26年に及んだ内戦を2009年に終結させた立役者として人気の高い前大統領の兄を首相に据えると宣言し、支持固めを狙う。前大統領は内戦中の人権侵害を批判した欧米諸国と距離を置いて中国に接近し、高金利の「債務のわな」を背負い込んだ。外交筋は「当選すれば親中路線に戻る可能性がある」と分析する。

〔写真説明〕スリランカ大統領選候補のゴタバヤ・ラジャパクサ元国防次官=13日、西部ホマガマ(AFP時事) 〔写真説明〕スリランカ与党統一国民党(UNP)の大統領選候補、プレマダサ住宅建設・文化相=12日、コロンボ(AFP時事)

2019年11月15日 14時12分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース