
小学館の漫画配信アプリ「マンガワン」編集部が、過去に性加害事件を起こした漫画家を別名義で新連載の原作者に起用した問題で、同社の第三者委員会(委員長・伊丹俊彦弁護士)は3日、「被害女性への人権侵害を助長、加担する対応だった」とする調査報告書を提出した。
報告書によると、編集部は2022年、教員時代の教え子だった10代女性への性加害で罰金刑を受けた男性漫画家の名義を変え、新連載「常人仮面」の原作者に起用。また、性加害事件で有罪判決を受け、別の少年誌の連載が中止された漫画原作者も、ペンネームを変え新連載「星霜の心理士」で起用した。
第三者委は、「常人仮面」では男性が加害性を十分認識していない恐れがあったと指摘。担当編集者が示談交渉に関与したほか、十分な調査・検証を行わず新連載を決めたとし、「男性による被害女性への人権侵害を助長、または加担する対応と評価されてもやむを得ない」と批判した。
一方、「星霜の心理士」については、原作者が心理カウンセリングを受けた点などを列挙。更生機会やプライバシーなどの観点から、名義変更の判断が「不合理だったとは言えない」とした。
その上で、小学館の人権侵害防止への感度不足が事案を招いたとし、「重要リスクについて組織的に判断し、管理監督するための体制が十分でなかった」と結論付けた。
小学館は「被害者に心よりおわびする。事実を重く受け止め、責任に真摯(しんし)に向き合う」とコメントした。
〔写真説明〕小学館のロゴマーク
2026年08月03日 19時18分