
福岡県は条例で飲酒運転を目撃した際の通報を市民に義務付けている。幼児3人が死亡した事故から20年になるが、通報は増加傾向にあり、県警幹部は「飲酒運転を見逃さないという意識が高まっているのでは」と語る。
同県は2012年、全国初の罰則付きの飲酒運転撲滅条例を制定。飲酒運転を見掛けた際の通報を「努力義務」とし、20年に「義務」に改めた。
実際に見掛けた場合に戸惑うことのないよう、県警は飲食店などでの通報訓練を継続的に実施。警察官が酒を飲んで運転して帰る客役を演じるなどし、店主や居合わせた客らに、車や運転者の特徴、走り去った方向など、通報時に質問される内容をシミュレーション形式で学んでもらっている。
訓練の成果もあってか、昨年1年間に寄せられた通報は5年前から1000件以上増え、2478件で過去最多を記録した。そのうち、約1割の235件で検挙につながったという。
だが、県内の飲酒運転検挙は後を絶たない。24年11月に自転車の飲酒運転に罰則が設けられた影響もあるが、25年は前年比1296件増の3064件に上った。
県警幹部は「間違った情報でも、通報してもらうことで、誰かに見られているかもしれないという意識の向上につながる」と強調。「20年前のような悲惨な事故を防ぐためにも、ちゅうちょせずに通報してほしい」と力を込めた。
〔写真説明〕2006年の福岡3児死亡飲酒事故から20年となるのを前に、記者会見する母親の大沼かおりさん=21日、福岡市博多区
2026年08月25日 14時57分