新しい年が始まり、今年も頑張るぞと気合十分の人。お正月が終わりまだなんとなく日常生活のペースに戻れていない人など様々かと思います。
1月は年中行事も様々なものがあるのでこの機会にぜひ覚えてみましょう。
睦月
旧暦では月の呼び方に和風月名(わふうげつめい)を利用していました。現在でも利用することがあるので知っている方がほとんどかと思います。
1月の和風月名は睦月(むつき)です。最も有力な説として「睦び月(むすびつき)」という言葉が転じて睦月となった説です。睦び月とはお正月に親族などが集まり互いに親しみ合う「睦び合いの宴を行う月」という意味があります。家族や親戚などで仲良くワイワイとすることが月名となっていると考えると素敵ですね。
また、他の説としては「始まりの月・元になる月」という意味の元月(もとつき)が転じて睦月となった説、そして稲の実を水に浸す月である実月(むつき)が転じたとされる説もあります。
年中行事
元日
年のはじめ、1月1日のことを言います。企業なども休みになることが多い国民の休日です。おせちを食べたり初詣に行ったりと、新しい年が来たことを実感するような出来事の多い日です。
元日と混同しがちなものとして元旦(がんたん)という言葉がありますが、こちらは元日の朝・午前中を指す言葉として使われます。近年では元日も元旦も同じ意味として使われてしまうことも多くなっていますが、違いを意識出来ると良いですね。
元日、お正月に関連する記事は以下をご確認ください。
人日の節句
1月7日を人日の節句と言います。七草粥を食べるので七草の節句と呼ばれることも多いですね。1月7日に七草粥を食べて1年間の健康を願う日として近年でも身近な節句です。
人日の節句は中国の占いの風習が元になっており、元日から6日まで動物を占っていました。1月1日は鶏、2日は犬、3日に羊というように占う動物は日によって異なります。そして1月7日には「人を占う日」となりこれが人日とされました。
1月7日に吸い物を食べる風習が平安時代に日本へと伝わると、七草摘みの風習と相まって七草粥を食べる風習となりました。
七草粥に入れる7種類の草はせり・なずな・ごぎょう・ハコベラ・ほとけのざ・すずな・すずしろ です。最近はセットになって販売されていることも多いので気軽に手に入れることが可能になりました。
成人の日
毎年1月の第二月曜日が成人の日になります。成人式の元になったのは元服や裳着という日本に古くからある儀式でした。男子は12~16歳で元服をし、女子は12~16歳で裳着を行いました。
どちらも子どもから大人へとなるための通過儀礼で、20歳よりも早くに行われていたことが分かります。
成人式の日程や儀式などは地方によって異なりますが、今でもほとんどの市町村で成人式は行われています。
鏡開き
お正月の間、年神様の依代となっているのが鏡餅です。松の内が終わると鏡餅を下げて食べることで年神様をお送りします。鏡餅には年神様の力が宿っているとされており、食べると力を分けてもらうことができ家族の無病息災を祈ります。
鏡開きをする時には包丁などの刃物は使いません。これは鏡開が武家から始まった行事であり、刃物を使う=切腹を連想するということから来ています。手や木槌などで割るようにしましょう。
松の内を1月7日までとする地方(主に関東)では11日に鏡開きを行います。一方で関西などでは15日までを松の内としており、鏡開きも15日に行われます。
小正月
小正月は毎年1月15日です。旧暦の1月15日は立春後の満月になり、昔はこの日を正月としていました。その後、中国の暦が伝わってくると本来の正月とは別に1月15日、かつての正月の満月を愛でるようになったのが起源とされています。
最近では小正月をしっかり行うという機会も減っていますが、餅花を飾って豊作を祈るなどの風習は残っています。
左義長、どんと焼き
小正月に正月飾りや書き初めを燃やす風習です。年神様は、その燃やした煙に乗って天上に帰っていくとされており、これで正月行事も終了となります。
左義長(さぎちょう)、どんと焼きのどちらの名前で呼ぶかは地域によって異なります。
二十四節気と七十二候
1月の二十四節気と七十二候をご紹介します。二十四節気とは半月ごとの季節の変化を表す区切りの日 、 そしてさらに、二十四節気を5日おきに分けて気象の動きや動植物の変化を知らせる短文のことを七十二候(しちじゅうにこう)と言います。
二十四節気
小寒(しょうかん) 1月5日頃
池の氷も厚みを増し、寒さが増してくる寒の入り、小寒 。次の節気である大寒と合わせて寒中とも言い、この間に寒中見舞いを出します。
「冬至より一陽起るがゆえに、陰気に逆らうゆえ益々冷ゆるなり」と暦便覧にはあります。
大寒(だいかん) 1月20日頃
寒さが最も厳しい頃、大寒。二十四節気の最後の節気です。ここを過ぎると春も近いとされています。
暦便覧の記載は「冷ゆることの至りて甚だしき時なればなり」とあります。
七十二候
雪下出麦 ( ゆきわたりてむぎのびる) 1月1日頃
降り積もった雪の下で麦が芽をだす頃。重たい雪の下でも麦は暖かくなるのをじっと待っています。
芹乃栄 (せりすなわちさかう) 1月5日頃
芹が生え始め、盛んに育つ頃。芹は春の七草のひとつで、7日の七草粥にも入れられます。冷たい水辺で一箇所に競り合って生えることから(せり)という名前になりました。
水泉動 (しみずあたたかをふくむ ) 1月10日頃
地中で凍っていた泉の水が溶けて動き始める頃。空気が冷たく、まだまだ寒い時期でも微かなあたたかさが愛おしい時期です。
雉始雊 (きじはじめてなく) 1月15日頃
雉が求愛のしるしとして鳴き始める頃。雉の雄は「ケーンケーン」と甲高い声をあげて鳴きます。
款冬華(ふきのはなさく) 1月20日頃
凍りついた地面にふきのとうが顔をだす頃。寒い中でも草花は春に向けての準備を進めています。
水沢腹堅(さわみずこおりはじめる) 1月25日頃
沢の水が厚い氷となり張りつめる頃。年間で最も低い気温になりやすいのもこの頃です。
鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく) 1月30日頃
鶏が春の訪れを感じて鳥小屋に入って卵を産み始める頃。1年中卵を産むものと勘違いしてしまいがちですが本来、鶏は冬には産卵せず、春が近づくと卵を産みました。
1月の旬なもの
お正月に様々な食材を食べる機会があるかと思いますが、その中でも美味しいとされる旬のものをご紹介します。
旬の野菜
白菜、春菊、れんこん、小松菜、大根、ごぼう、カリフラワー など
旬の果物
みかん、キウイ、レモン、金柑 など
旬の海産物
あんこう、鱈、ふぐ、ぶり、甘海老、しじみ など
まとめ
お正月という大きな年中行事があるので、1月は1年の中でも特に風習などを感じる機会が多い月かと思います。お正月が終わると年度末に向けて毎日があっという間に過ぎてしまうように感じるかもしれません。
そんな中でも旬のものを味わったり、昔ながらの行事を楽しむ余裕を持って生活していきたいですね。