一般社団法人 日本電子機器補修協会

rogo

東日本大震災の教訓、学校現場へ=教職員向け被災地研修―南海トラフに備え



宮城教育大(仙台市)の「311いのちを守る教育研修機構」は、南海トラフ地震の被災想定区域などの教職員を対象とした東日本大震災の被災地での研修を進めている。震災遺構や語り部の経験談を通じ、防災意識を高める目的だ。地元に戻った教員らは教訓を学校現場で広め、災害に備えようとしている。

2019年4月に設立された同機構は、遺構を活用した研修を2回実施。教諭ら計42人が参加し、岩手県や宮城県で被災した学校跡地や避難経路などを巡った。研修を担当する武田真一特任教授(62)は、教員や児童生徒の「防災力」を上げることが課題と指摘。「被災地で防災教育の重要性を再認識してもらい、自分の命を守れる子どもを育てる教育につなげてほしい」と願う。

20年8月の研修に参加した高知県立高知国際中学校・高等学校の森本民之助校長(60)は「被害を最小化するため、今できることを考えなければ」と実感。南海トラフ地震の最大津波高34メートルが想定される同県黒潮町立佐賀中学校の生徒を招き、地域ぐるみの防災活動を紹介してもらった。「震災時、自分ならどう行動するか」を生徒が考えるワークショップも実現させた。

生徒は刺激を受けた様子だったといい、森本校長は「小中学校からの防災教育で意識が高まり、地域全体の防災力が上がる」と手応えを語る。

静岡市教育委員会の指導主事小川真男さん(48)は、率先して高台に避難し全校生徒が助かった岩手県釜石市立釜石東中学校の、津波発生時の行動を教職員に紹介。「訓練を見直したい」「主体性を育む防災教育が大切と痛感した」などの声が寄せられた。

南海トラフ地震に備え、市教委は12年度から学校に専門家を派遣し避難訓練などのアドバイスをしているが、小川さんは「教員は児童生徒に主体的に考えさせる学習のやり方に悩んでいる」と指摘する。日常の学習にどのように防災学習を組み込むかが今後の課題という。

同機構の研修は毎年2回実施する予定。新型コロナウイルスの影響で参加人数を制限するが、21年3月に開催する準備を進めている。

【時事通信社】 〔写真説明〕児童ら84人が犠牲となった大川小学校で語り部の話を聞く研修参加者=2020年8月21日、宮城県石巻市(311いのちを守る教育研修機構提供) 〔写真説明〕釜石東中学校の生徒らが逃げたルートを視察する研修参加者=2020年8月20日、岩手県釜石市(311いのちを守る教育研修機構提供)

2021年03月07日 14時50分


関連記事

脱線から19年、犠牲者追悼=JR西社

宝島さんと都内空き家で接触か=逮捕の

旅客船事業の規制厳格化=海保は救助体

追悼式で遺族ら献花=犠牲者の冥福祈る

車から宝島さん妻の免許証、血痕も=発

米グーグルに初の行政処分=ヤフー広告

海洋観測艦派遣し深海調査=ヘリ事故、

事件前、粘着テープやガソリン購入=逮

災害伝承碑「活用を」=地図記号発表か

紅麹被害、実態解明急ぐ=機能性食品、

進まぬ公費解体、復興に影=申請、いま

対潜水艦戦、高度な訓練=中国抑止、現

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース