「苦痛を正面から裁判官が認めてくれた」。原告全員を水俣病と認定し、国などに賠償を命じた27日の大阪地裁判決。原告や代理人弁護士からは「画期的な判決を出してくれた」と高く評価する声が相次いだ。
大阪市内で記者会見した原告の前田芳枝さん(74)は、10代の頃から手のしびれなどに悩んでいたが、「(病名が)どこに行っても分からず、恥ずかしくてずっと隠し通してきた人生だった」という。ようやく判決で水俣病と認められ、「この日を指折り数えて待っていた。裁判所は公正な判断をしてくれた。素晴らしい道しるべができた」と涙を浮かべた。
松尾厚子さん(68)は「原告128人が一枚岩になって頑張ってきた結果だ」と誇らしげな表情を見せた。その上で「まだ救済されていない人がたくさんいる。(他の地裁でも)全面勝利を目指したい」と語った。
【時事通信社】
〔写真説明〕水俣病訴訟の判決を受け、記者会見で発言する原告の女性ら=27日午後、大阪市
〔写真説明〕水俣病訴訟の判決を受け、記者会見する弁護団=27日午後、大阪市
2023年09月27日 21時46分