自動車、電機など五つの産業別労働組合で構成する金属労協は3日、東京都内で協議委員会を開き、2025年春闘の要求方針を正式決定した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)要求基準として過去最高の月額1万2000円以上を掲げ、中小労組への波及を促す。金子晃浩議長は冒頭、「賃上げの流れを定着させていくために極めて重要な年になる」と訴えた。
ベア要求は12年連続。要求額は月1万円以上を求めた24年春闘を上回り、ベア額を明示する現行方式となった1998年以降で最高となる。
金子氏は協議委に先立ち開いた記者会見で、ベア要求額を引き上げた理由について、近年の春闘で高水準の賃上げを獲得してきた一方で「急激な物価上昇を上回る賃上げを実現できていない」と説明。企業規模による賃上げの格差に関しては「縮まるどころか拡大し、看過できないレベルにある」との認識を示した。
【時事通信社】
〔写真説明〕2025年春闘について記者会見する金属労協の金子晃浩議長=3日、東京都江東区
2024年12月04日 07時58分