日本政府は2043年に行われる国連安全保障理事会の非常任理事国選挙に立候補する方針を決め、加盟国への通知などの手続きに入った。非常任理事国枠を巡る新興国との争いが激化する中、早めに名乗りを上げることで「選挙運動」の期間を確保し、支持固めを進める狙いがある。
政府は23年1月から非常任理事国を務め、32年選挙への立候補も決めている。今回は20年後の選挙にさらに手を挙げる異例の対応となる。岩屋毅外相は3日の記者会見で「競争環境は年々厳しくなっている。ずいぶん先の話だと感じる国民もいると思うが、前広に周到に準備していく必要がある」と説明した。
安保理は「国際の平和および安全の維持に主要な責任」を有する機関。米英仏中ロ5カ国の常任理事国と、任期2年で毎年半数が改選される非常任理事国10カ国で構成される。非常任理事国のうち、アジア・太平洋の枠は二つだ。
安保理入りは日本にとり、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮や軍事的威圧を強める中国に対応する上で重要度が増している。ただ、日本は非常任理事国を加盟国最多の12回務めており、他の加盟国からは「多選」批判も漏れる。安保理入りを目指す新興国などの動きも激しくなっている。
岩屋氏は会見で「安保理は残念ながら機能不全に陥っている」と指摘。「安保理改革、国連改革にもしっかり取り組んでいく必要がある。議論を主導できるよう努力していきたい」と強調した。
【時事通信社】
〔写真説明〕記者会見する岩屋毅外相=3日午後、外務省
2024年12月04日 12時35分