新築戸建て、太陽光義務化=来年4月から、住宅メーカー対象―電気高騰でメリット強調・東京都



住宅メーカーなどを対象に、戸建てを含む新築建物に太陽光発電パネルの設置を義務付ける東京都の制度が、2025年4月から始まる。都は施工事業者や購入者に対して、高騰する電気代を節約できるメリットを強調するほか、費用に対する助成を充実させて活用を呼び掛けている。太陽光の普及を通じて、住宅部門での脱炭素化を目指す。

新制度は、住宅や商業ビルといった形態は問わず、延べ床面積が2000平方メートル未満の中小規模の建物が対象。年2万平方メートル以上の建物を供給する事業者に義務を課すもので、都は50社前後が該当するとみている。2000平方メートル以上の大規模な建物についても、既存制度の強化により、太陽光パネルの設置を求める。

都が21年にまとめた調査によると、都内の建物への太陽光パネル設置率は4%に満たない。環境省の調べでは、戸建て住宅の太陽光発電システムの利用率は全国で11~13%程度で推移しており、さらなる普及と活用が課題となっている。

都は新制度を通じて、太陽光のさらなる導入に弾みをつける狙い。コストがネックとならないよう、戸建て住宅の太陽光導入時の助成金や減税を用意。23年度からは初期費用が無料のプランを用意する事業者へ助成金を出し、住宅購入者の負担を実質的になくす支援事業を設けた。

電気料金を節約できることもメリットの一つ。料金高騰が続く一方、夏の猛暑は年々厳しくなり、家計の負担が増す中だけあって、都はその点をアピールしている。太陽光パネル設置費用の回収にかかる期間は短くなっているといい、都内のある工務店経営者は「うちでは8割ほどで太陽光を設置している。関心は高い」と話す。

太陽光パネル設置は、停電時に電気を賄えるメリットもある。都の担当者は「太陽光の利点をPRし、都民の理解を得たい」と話す。

【時事通信社】 〔写真説明〕東京都庁(中央)

2024年12月29日 19時19分


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