経団連は14日の会長・副会長会議で、5月下旬に任期満了を迎え退任する十倉雅和会長(74)の後任に、副会長の筒井義信・日本生命保険会長(70)を充てる人事を内定した。製造業からの起用が通例だった経団連会長が、金融機関から起用されるのは初めて。5月29日の定時総会で正式決定し就任する。任期は2期4年。
筒井氏は記者会見し、「大変光栄なことと受け止めていると同時に、使命と責任の重さをひしひしと感じている」と述べた。その上で「成長と分配の好循環を通じた日本経済の持続的発展に全力を尽くす。政府や企業など各界と丁寧にコミュニケーションしながら、社会性の視座を持ち、課題解決に誠心誠意取り組む」と抱負を語った。
筒井氏は2011年に日本生命社長に就任すると、15年に三井生命保険(現大樹生命保険)、18年にマスミューチュアル生命保険(現ニッセイ・ウェルス生命保険)の買収をそれぞれ手掛け、業容拡大に手腕を発揮した。18年から会長に就いている。
経団連では23年5月から副会長を務め、行政改革推進委員長も兼務。民間企業のGX(グリーントランスフォーメーション)投資を促進するため官民出資で設立された「GX推進機構」でも理事長を務めるなど、財界活動にも精力的に取り組んできた。
【時事通信社】
〔写真説明〕経団連の次期会長に内定し、記者会見する日本生命保険の筒井義信会長=14日午後、東京・大手町の経団連会館
〔写真説明〕経団連の次期会長に内定し、記者会見する日本生命保険の筒井義信会長(左)。右は十倉雅和経団連会長=14日午後、東京・大手町の経団連会館
2025年01月15日 08時13分