G7、共同声明採択へ調整=米関税に懸念相次ぐ―財務相会議閉幕へ



【バンフ(カナダ西部)時事】当地で開催中の先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は22日(日本時間23日午前)、2日間の討議を終えて閉幕する。トランプ米政権が貿易赤字の解消を目的に高関税政策を発動する中、会議では各国から世界経済の不確実性を懸念する声が相次いだ。G7が結束を示すため共同声明を採択できるかが焦点で、最終日まで調整が続く見通しだ。

日本からは加藤勝信財務相と植田和男日銀総裁が出席した。開幕に先立ち、米当局者は「共同声明が出せれば素晴らしい」と語りつつ、米国の優先課題に一致した場合のみ、署名する意向を表明。一方、イタリア経済財政省によると、ジョルジェッティ経済財政相は会議で「最終的に各国が受け入れられる共同声明になるよう努力を続けている」と強調した。

初日の21日は世界経済などについて議論した。討議後、加藤財務相は記者団に対し、「貿易収支の不均衡問題には、関税ではなく各国が内需拡大や財政赤字の削減などで対処していく必要があることを指摘した」と説明。財務相同行筋によると、会議では「米相互関税が発動された4月初めに比べ、金融市場の動向が落ち着いてきたが、不確実性があり安心できないという見方が多かった」という。

このほか会議では、ロシアから侵攻を受けるウクライナ支援の在り方や中国の過剰生産問題を念頭にした不公正で不透明な産業政策への対抗手段、少額貨物の国際輸送がもたらす課題についても意見を交わした。

【時事通信社】

2025年05月22日 20時07分

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