【カイロ時事】パレスチナ人全体の最高意思決定機関と位置付けられるパレスチナ民族評議会(PNC)のラウヒ・ファトゥーハ議長は1日、時事通信のオンライン取材に答え、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突を巡り米政府が示した和平計画に関し、「(停戦実現の)最後のチャンスだ」と述べ、ハマスに受け入れを迫った。受諾しなければ「イスラエルがガザ全域を占領することになる」と危機感を示した。
計画は9月29日に発表され、イスラエルのネタニヤフ首相は支持を表明。ハマスは対応を協議しており、修正を求めるとの見方も出ている。ファトゥーハ氏は「ハマスがガザの人々を救いたいのであれば、受諾すべきだ」と強調した。
しかし、ハマスの武装解除が計画に盛り込まれたことについて、ファトゥーハ氏は「ハマスにとって同意するのは難しい」と指摘。ハマスに影響力を持つエジプト、カタール、トルコが説得を続けていると説明した。
また、戦闘終結の目標を除けば、「(計画は)全く理にかなっていない」と酷評した。ガザの戦後統治に、組織改革が完了するまでパレスチナ自治政府が関与できないとされていることを問題視している。
ただ、組織改革の必要性は認め、「選挙を通じた新たな指導者が求められている」と語った。自治政府の議長選は2005年を最後に行われていない。イスラエルが一方的に併合した東エルサレムでの投票が認められていないため、選挙が実施できないとファトゥーハ氏は主張した。
【時事通信社】
〔写真説明〕1日、オンライン取材に答えるパレスチナ民族評議会のラウヒ・ファトゥーハ議長
2025年10月03日 12時36分