死者6万7000人超に=子供ら栄養失調深刻―ガザ衝突2年



イスラエルがパレスチナ自治区ガザで大規模軍事作戦を開始してから7日で2年となる。イスラム組織ハマスとの間で長期化する衝突に伴う住民の被害拡大は止まらず、ガザ保健当局によると、2023年10月の戦闘開始以降、パレスチナ側の死者は6万7000人に達した。うち1万9400人は子供、約1万人は女性とされる。

負傷者は17万人弱に上り、世界保健機関(WHO)によると、その約4人に1人は深刻な後遺症が残るけがをしている。四肢や頭部に重傷を負うなどし、域外での治療を必要とする人は約1万5000人いるが、医療目的の域外移動は厳しく制限されている。

一方、150万人が深刻な食料不足に直面している。栄養失調に伴う死者は440人に達した。特に子供の栄養不足が顕著で、約1万3000人が急性の栄養失調で苦しんでいる。8月には国連機関などが中心都市ガザ市一帯で「飢饉(ききん)」が発生していると認定したが、その後も食料を巡る状況は改善されていない。

家屋や生活インフラの被害も甚大だ。繰り返される空爆などにより、水道施設は破壊され、感染症が拡大。国連衛星センターの分析によると、ガザの建物の78%に当たる19万棟が損壊した。一帯には東日本大震災で発生したがれきの約3倍に当たる6100万トンのがれきが残っていて、復興には数十年を要するとされる。国連によると、人口の9割に当たる190万人が家を追われ、今も過酷な避難生活を余儀なくされている。

【時事通信社】 〔写真説明〕5日、パレスチナ自治区ガザ中部デイルバラの路上でパンを食べる避難民の子供(AFP時事) 〔写真説明〕パレスチナ自治区ガザで、食料を求めて集まる人々=9月30日、中部ヌセイラト(AFP時事) 〔写真説明〕パレスチナ自治区ガザの中心都市ガザ市から避難する人々=9月24日(EPA時事)

2025年10月06日 07時00分


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