河井案里被告、２１日に判決＝「陣中見舞い」と無罪主張―参院選大型買収・東京地裁

２０１９年参院選をめぐる大型買収事件で、公選法違反（買収、事前運動）罪に問われた参院議員、河井案里被告（４７）の判決が２１日午後、東京地裁（高橋康明裁判長）で言い渡される。検察側は懲役１年６月を求刑。弁護側は「現金は買収目的ではなく、陣中見舞いや当選祝いだった」として無罪を主張している。

争点は、(1)広島の地元議員への現金提供が投票や票の取りまとめを依頼する趣旨だったか(2)夫で元法相の衆院議員、克行被告（５７）との共謀があったか―など。案里被告は罰金刑以上が確定すれば失職する。

案里被告は現金提供を認めた上で、「お世話になった先生方への感謝の気持ち」と説明し、克行被告との共謀を否定。議員５人への現金提供のうち、当時の秘書が広島県江田島市議に現金を渡した件については関与を否定している。

一方、検察側はこうした主張を「他の証言や供述と矛盾しており、明らかに虚偽」と指摘。夫妻の自宅などから押収した現金提供先をまとめたとされるリストや名簿を根拠に、買収を差配したのは克行被告で、案里被告も「直接意を通じていた」とする。

起訴状によると、案里被告は１９年３～６月、克行被告と共謀し、県議４人と江田島市議の計５人に参院選での投票や票のとりまとめなどの選挙運動を依頼。報酬として現金計１７０万円を提供したとされる。

夫妻の公判は当初一体として審理されていたが、昨年９月に分離された。克行被告の公判期日は３月末まで週３～４回のペースで予定されているが、結審の見通しは立っていない。

【時事通信社】

2021年01月20日 14時27分

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