
政府が今夏まとめる成長戦略で、官民による対外直接投資を促進する方針を打ち出すことが4日、明らかになった。高市政権が掲げる危機管理・成長投資を通じた戦略17分野の供給力強化の成果を海外へ展開し、国内外経済の好循環の実現と経済安全保障の強化を目指す。米国を含むアジア太平洋地域を軸とした有志国や新興・途上国と連携を深め、「信頼できる経済圏」を構築する。
成長戦略のうち、分野横断的課題として挙げている「新技術立国・競争力強化」のため、「グローバルな危機管理投資・成長投資」の推進を明記。人工知能(AI)・半導体や航空・宇宙など17分野への積極投資で技術優位性を築いた物品やサービスの輸出を拡大。海外需要を取り込むことで、事業収益の拡大や国内への再投資を通じた産業基盤強化、外貨収入増による為替の安定化、重要資源の確保につなげる。
対外直接投資を輸出拡大などの足場をつくる中核的な政策手段と位置付ける。国際的な貿易ルールや経済安全保障上の連携の枠組みの下で、日本の財・サービスを通じて信頼できる相手と経済圏を構築。サプライチェーン(供給網)の中で重要な位置を占める「不可欠性」の獲得を目指す。
対外直接投資を巡っては近年、「国内投資を優先すべきだ」「国内への還元が不十分」などの批判にさらされてきた。ただ、経済産業省によると、日本の投資相手国・地域への輸出は拡大する方向にあり、還元の水準も欧米並みという。
また、米国や中国などは積極的に活用、成長著しい東南アジアで存在感を高めており、一歩踏み込んだ対応が必要だった。月内にもまとめる通商戦略や通商白書でもこうした方針を打ち出す。
〔写真説明〕高市早苗首相=3日、首相官邸
2026年06月05日 09時21分