家計に1兆円プラスの試算も=住宅ローンは負担増へ―日銀利上げ影響



日銀の追加利上げで「金利のある世界」が一段と本格化し、家計や企業には恩恵と負担の両方の影響が及びそうだ。住宅ローン金利の上昇で返済負担は増す一方、預金金利の引き上げによるメリットも見込まれる。みずほ総合研究所の試算では、政策金利が0.75%から1%に引き上げられることで、家計全体では約1兆円のプラス効果が生じる。

2024年3月のマイナス金利解除以降、企業や個人向け融資の金利は上昇が続いている。日銀によると、国内金融機関の貸出金利の水準を示す貸出約定平均金利は、3月に1.813%と約19年ぶりの水準に達した。

住宅ローンの多くを占める変動金利は、日銀の利上げから一定期間後、短期金利に応じて引き上げられる。変動型の住宅ローン金利は、大手銀行5行の平均で6月に1.055%と、2年前の約2.8倍に。利上げ後はさらに上昇が見込まれる。

住宅ローンを抱える若年世代への影響は大きく、30代では1世帯当たり年間3万8000円、29歳以下では4万1000円の負担増となる。一方、住宅ローンなどの負債がなく、金融資産を多く保有する60代以上の高齢世帯にとっては、預金金利の上昇で4万円前後のプラスとなる。家計全体では、1世帯当たり年間2万円程度のプラス効果が見込まれるが、世代間で格差が広がりそうだ。

また、企業の借入金の利子負担も重くなる。みずほ総研によると、追加利上げによる支払利息の増加などで、全規模・全産業では約1兆1000億円の減益圧力がかかる見込み。特に、銀行融資への依存度が高い中小・零細企業への影響は大きく、東京商工リサーチは「貸出金利が上昇した場合、大きな痛手になりかねない」と指摘する。

東京都大田区の金属加工メーカー社長は、アルミやステンレスなど原材料価格の高止まりが続く中、借入金利の負担増で「苦しいのは否めない」と語った。中東情勢を背景とした原材料高に金利上昇が加わり、経営が圧迫される可能性がある。

〔写真説明〕日銀本店=16日、東京都中央区(AFP時事)

2026年06月17日 08時19分


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