
日本製鉄が、米鉄鋼大手USスチールを約141億ドル(約2兆円=当時)で買収してから18日で1年。今期は操業改善などの効果で1000億円以上の利益貢献を見込むが、巨額投資に見合う成果の実現にはなお時間を要する。今後は、矢継ぎ早に打ち出してきたUSスチールへの投資計画を予定通り進め、設備の順調な稼働につなげていけるか、日鉄の実行力が問われている。
設備が老朽化しているUSスチールに対し、日鉄は高炉の改修や、電炉に使う原料の製造設備の新設など、5月時点で計約32億ドル(約5100億円)の投資実行を着々と決定してきた。鉄鋼業界に詳しい外資系証券のアナリストからは「どこに何を造るか明確になり、安心感が出てきた」と評価する声が聞かれた。国内の鉄鋼需要が低迷する中、成長市場である米国への進出は、長期的には「必要な判断だった」(大手証券アナリスト)との見方が多い。
日鉄は、買収したUSスチールに対し、総額約140億ドル(約2兆2400億円)以上の投資を計画している。投資効果は2028年ごろから大きく表れ始め、35年には毎年30億ドル(約4800億円)の収益改善につながると想定する。ただ、別の大手証券のアナリストは「USスチールは前期も黒字予想だったものの、結局赤字だった。見通しの下振れが続いており、今後計画通り進むのかは疑問」と慎重な見方を示している。
〔写真説明〕日本製鉄の看板(AFP時事)
2026年06月18日 08時30分