成長、海外に求めるほかない=事業拡大で再び世界一に―森日鉄副会長



日本製鉄の森高弘副会長は、米鉄鋼大手USスチールの買収から1年を迎えるのを機に報道各社の取材に応じた。国内需要がピーク時の半分以下に落ち込む中、「成長は海外に求めるほかに選択肢はない」と強調。海外事業を拡大し「再び世界一を目指す」と語った。

森氏は、中東など国際情勢が不安定化する中でも、米国やインド、欧州といった成長が期待される海外の重要性は高まっているとの認識を示した。特に米国は「先進国の中で唯一市場が拡大している」と強調した。

総額約2兆円のUSスチール買収では、米政府の関与により完了に時間を要したが、その分、同社との連携について検討を深められたと説明。主要拠点の一つ、ゲーリー製鉄所の投資計画なども順調に決まり、買収後は「苦労することが全くない」とアピールした。

インドでは、2019年に買収した製鉄所の設備増強により「自動車などの高級鋼参入に向け、拡張してきた効果を発揮しつつある」という。欧州はスロバキアと北欧の拠点との連携を強化すると説明した。

一方、タイでは過剰生産による安価な中国製輸入鋼材から域内産業を保護するため、現地政府と交渉を進めている。森氏は「国同士が産業政策を競う時代となった」と指摘。「海外の政治家や官僚の求めていることを知らずに事業はやっていけなくなった」と、海外事業の難しさにも言及した。

〔写真説明〕インタビューに応じる日本製鉄の森高弘副会長=11日、東京都千代田区

2026年06月18日 09時43分


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