WTO再活性化に貢献=意思決定改革で調整役の永井大使



世界貿易機関(WTO)の意思決定に関する改革の調整役「ファシリテーター」に選ばれた永井克郎ジュネーブ国際機関代表部大使が、インタビューに応じた。同氏は、機能不全と言われるWTOには今も貿易ルールの形成などで意義があると強調しつつ、時代に合わせ「再活性化する時期だ」と述べ、改革への貢献に意欲を示した。

外務省で貿易畑が長い永井氏は、通商秩序を取り巻く環境について、「30年前に比べ経済構造が複雑化した」と指摘。さまざまな対立軸が生じる中、全加盟国で合意するのが難しくなったとの認識を示した上で、改革議論では「本来の役割を果たしていた頃を知っている者として(機能回復に)努力する」と語った。

意思決定改革では、全会一致のコンセンサス(同意)方式の原則を維持しつつ、一定の条件下で複数国間(プルリ)協定をWTOの制度に組み込む方策などを検討する。

永井氏は「一部途上国は自国に害が及ばないように求めている」と話し、一定の条件を満たせば後から参加できる仕組みの検討など「意見のバランスを取り、懸念に対処し、コンセンサスの仕組みを改善していく」と述べた。

永井氏はWTOの現状が「国際社会に役に立つ機関であり続けられるかどうかの瀬戸際にある」と危機感を口にし、「抽象的な議論を続けているわけにはいかない」と強調した。

〔写真説明〕世界貿易機関(WTO)で、意思決定改革の議論の調整役を務める永井克郎ジュネーブ国際機関代表部大使=7日、都内

2026年08月15日 07時04分


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