
人工知能(AI)開発企業ELYZA(イライザ、東京)の曽根岡侑也最高経営責任者(CEO)がインタビューに応じ、「賢すぎるAI」の暴走を防ぐため、提供範囲や用途を限定するなどの安全対策が必要との認識を示した。
―AIの暴走が目立っている。
想定を超える速度でAIが賢くなりすぎたが故に、人間が用意した隔離環境を突破し不正アクセスする事態が起きた。問題設定の誤りや実行環境の穴があり、AIが行動範囲を自律的に広げてしまった。
―必要になる安全対策は。
米企業オープンAIの発表によると、数学上の難問「ナビエ―ストークス方程式」を巡る問題を解いた時は、AIエージェントが1万体くらい稼働した。リアルタイム監視に人間1万人を集めるのは難しく、「監視エージェント」が必要になるだろう。AIの提供範囲を制限すること、人間が手綱を握れるよう使う用途や環境を整備することも重要になる。
―法規制は必要か。
最先端モデルの開発企業が手を取り合って、提供範囲や用途を制限する合意を作るべきだ。ただ、米中ともに先端技術の精度競争をしている中、構造上の難しさがある。
―AIがAIを開発する「再帰的自己改善(RSI)」はいつごろ実現しそうか。
RSIの定義が定まっておらず、いつとは言えない。(米AI企業などは)1年半でAI開発作業の大半を人間からAIに置き換えることを目指しており、その時期の見立てに個人的には同意する。
―RSI関連の研究に取り組む理由は。
がん治療薬を含め、AIの能力向上は科学技術を前に進める。少子高齢化による労働人口の問題解決の一歩にもなる。ただ、国内で最先端モデルを開発できなければ、今後100~200年の科学技術の恩恵を他国に持っていかれることになる。日本として、この挑戦を絶やしてはならない。
〔写真説明〕インタビューに応じる人工知能(AI)開発企業ELYZA(イライザ)の曽根岡侑也最高経営責任者(CEO)=2日、東京都千代田区
2026年10月15日 07時11分