ICC制裁、米の翻意難しく=日本、働き掛けを継続



高市早苗首相は13日、トランプ米政権が国際刑事裁判所(ICC)の組織自体を制裁対象に指定したことを巡り、ICCを「今後も支持する」と明言した。国際社会と連携しつつ、米国への働き掛けを続ける考えも示した。ただ、米側の翻意を促すのは容易ではないとみられる。日本が戦後一貫して重視してきた「法の支配」が揺らぎかねない情勢だ。

首相は13日の衆院予算委員会で「(米国と)意思疎通を続けるとともに関係国と力を合わせてICCの活動を支援していく」と強調した。米国が制裁を発表した直後の9日夜には、自身のX(旧ツイッター)に「日本の立場と相いれるものではなく、深く懸念している」と投稿していた。

米政府が8月にICCの赤根智子所長を制裁対象に指定した際、首相は「大変残念」と述べるにとどめ、「弱腰」と批判された。今回の制裁措置に対し、日本政府はICC支持を即座に表明。英仏独などと「強く反対する」との声明を発表し、10日にはICC締約国会議の議長団のメンバーとして、即時撤回を求める声明を打ち出した。

日本政府が矢継ぎ早に動いたのは、危機感の裏返しだ。外務省関係者は「制裁の影響は大きい」と述べ、政府関係者は「ICCの存在を否定するものだ」と不安を隠さない。制裁の一部に180日の猶予期間が設定されたことを踏まえ、外務省幹部は「ICC支持を表明している国と、米国への働き掛けを行う」と述べ、対応を急ぐ考えを示した。

しかし、米政権はICC解体を目指しており、日本政府との立場の隔たりは大きい。これまで水面下で米側に対し、ICCに圧力をかけないよう働き掛けてきた。首相は9月の日米首脳会談でトランプ大統領にICC支持を説明。ICC問題は外相間で意思疎通することを確認したが、今回の制裁を止められなかった。

茂木敏充外相は今月10日のルビオ国務長官との電話会談で日本の立場を伝えたものの、ルビオ氏は制裁の必要性を強調したという。外務省関係者は「米政権にスタンスを変えてもらうのは難しい」と認めた上で「あらゆるレベルで働き掛けを続けるしかない」と語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕衆院予算委員会で答弁する高市早苗首相=13日午後、国会内

2026年10月14日 07時04分


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