シカゴへの州兵動員承認=トランプ氏、知事の意向無視―米



【ワシントン時事】米主要メディアは4日、トランプ大統領が中西部イリノイ州シカゴ市に州兵300人を動員することを承認したと一斉に伝えた。トランプ氏はかねて、野党民主党の勢力が強い同市の治安状況について深刻だと主張。プリツカー州知事(民主)はこれより先、州兵を招集しなければ国防総省が動員するという「最後通告」を同省から突き付けられ、拒否したと明かしていた。

シカゴ市では同日、不法移民の取り締まりに当たっていた連邦政府の捜査員が女性を銃撃。国土安全保障省は、パトロール中の捜査員らを乗せた車両が複数の車に体当たりされ、捜査員らがひかれそうになったことから、自衛のため発砲したと発表した。「武装した米市民」が負傷し、自分で病院に行き治療を受けたと説明しているが、市当局は詳細を明らかにしていない。

ホワイトハウスの報道担当者は「暴動と無法状態が続く中、プリツカーをはじめとする地元指導者が鎮圧に踏み切ることを拒否した」と主張し、連邦捜査官・施設を守るためトランプ氏が州兵動員を認めたと述べた。プリツカー氏は「言語道断で米国の価値に背く」と、地元知事の意向を無視する政権に強く反発している。

〔写真説明〕4日、米中西部イリノイ州シカゴ市で、当局に抗議するデモ参加者(ロイター時事)

2025年10月05日 12時50分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース