【ベルリン時事】チェコで3、4両日に行われた下院(任期4年、定数200)選で、ポピュリズム野党「ANO」が第1党となり、同党を中心とする連立政権が発足することが確実となった。党首のアンドレイ・バビシュ前首相(71)が首相に返り咲く見通し。バビシュ氏は、トランプ米大統領の路線を支持するチェコ有数の富豪だ。
暫定結果によると、得票率はANOが34.5%。現フィアラ連立政権の中道右派連合「SPOLU」、「首長連合」は過半数を失い、それぞれ23.4%、11.2%となった。日系人のトミオ・オカムラ氏が率いる排外的な極右「自由と直接民主主義」は7.8%だった。
地元報道によると、バビシュ氏は、極右政党などとの連立協議を行う意向を表明。極右は欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)からの離脱に関する国民投票を実施するよう求めているが、バビシュ氏は「われわれは親EU、親NATOだ」と強調した。
〔写真説明〕4日、プラハで演説を行うチェコのポピュリズム野党「ANO」党首のアンドレイ・バビシュ前首相(中央)(EPA時事)
2025年10月05日 11時07分