政権崩壊後初の議会選=国内融和は道半ば―シリア



【イスタンブール時事】シリアで5日、昨年12月のアサド政権崩壊後初めての人民議会(国会、定数210)選挙が行われた。暫定政府は選挙を通じて民主的な国家造りを急ぎたい意向だが、国内の融和や安定の実現は道半ばだ。

暫定政府は、国内避難民が多い事情などを考慮し直接選挙を断念。議席の3分の2は選管当局の審査を経た選挙人の投票で選ばれ、残る3分の1をシャラア暫定大統領が直接任命する。シャラア氏への権力集中が一段と進むとの懸念もある。

シャラア氏は就任後に旧政権下の国会を解散して憲法を停止し、後にイスラム法を立法指針とする暫定憲法を承認した。今回選ばれる議員の任期は2年半と定められた。

7月にイスラム教の少数派ドルーズ派とスンニ派遊牧民の衝突が起きた南部スワイダ県や、クルド人勢力が実効支配する北東部では、治安情勢を理由に投票が延期された。このため、国内の少数派からは「選挙は非民主的」と反発も出ている。

〔写真説明〕5日、シリアの首都ダマスカスで人民議会選挙の投票を行う選挙人(ロイター時事)

2025年10月05日 17時29分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース