
福島第1原発事故を起こした東京電力による柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働について、同社との訴訟を続ける福島などの原告からは「とんでもない」「ふるさとが心配」といった声が上がった。
原発事故では一時、約16万人が福島県内外への避難を強いられ、いまだにふるさとに戻れていない人も多い。福島原発告訴団の武藤類子団長(72)=同県三春町=は「福島がまだ復興の途上にあり、事故原因の究明も十分とは言えない状況で、再稼働するべきではない」と強調。事故直後に交通渋滞などに伴う災害関連死が多く発生したことに触れ、「(柏崎原発の避難計画の)対象地域やその周辺は福島県以上の豪雪地帯。不測の事態に対し、実効性のある計画とは思えない」と話した。
「ふるさとが心配だ」と話すのは、新潟県柏崎市に隣接する上越市出身で、東電旧経営陣に対する株主代表訴訟の原告の木村結さん(73)=東京都杉並区。原発事故後の運転停止から14年近くがたち、稼働中の原子炉運転に携わった経験のない作業員が増えた現状を懸念している。
17日には制御棒の引き抜き試験で不具合が判明し、再稼働が延期された。「原発は巨大なシステムなので、動かしてみないと安全かどうか分からないことが露呈した。また福島のような事故が起きるのではないか」と危機感をあらわにした。
〔写真説明〕東京電力の本社前で柏崎刈羽原発の再稼働に抗議する人たち=19日、東京都千代田区(AFP時事)
2026年01月22日 09時16分