「裏金候補」自民37人公認=首相基盤強化?党内に懸念も【26衆院選】



自民党が21日発表した次期衆院選の第1次公認候補284人には、派閥裏金事件で政治資金収支報告書に不記載のあった37人が含まれた。自民は2024年衆院選では裏金関係候補の一部を非公認にするなどの対応を取ったが、高市政権は「みそぎは済んだ」(幹部)として不問に付した。ただ、事件の全容解明はなお遠く、党内からは世論の批判が再燃しかねないと懸念する声も出ている。

「前回衆院選で国民の審判を受けた。今回は原則に戻させてもらった」。自民の鈴木俊一幹事長は21日の報道各社のインタビューで、裏金関係候補の公認についてこう説明した。

石破政権時代の前回衆院選には裏金関係候補46人が出馬。このうち、自民は12人を公認せず、残りの候補についても比例代表との重複立候補を認めなかった。結果的に28人が落選した。

今回は46人のうち、離党するなどした9人を除く37人を公認。この中には前回非公認だった萩生田光一幹事長代行、西村康稔元経済産業相ら7人が含まれる。73歳定年の内規に抵触しなければ、比例名簿にも登載する方針だ。

首相に近い古屋圭司選対委員長は記者団に「問題は事実上決着している」と強調した。人付き合いが苦手な首相は党内基盤が弱く、かつて所属した旧安倍派メンバーの政界返り咲きを促し「基盤を強固にしたい」(党関係者)との思惑が透ける。

もっとも、裏金事件の真相究明を求める声は根強い。旧安倍派で所属議員に対するパーティー収入の還流が始まった経緯は分かっておらず、安倍晋三元首相が中止を指示した還流が安倍氏の死後に再開された経緯も不明だ。旧安倍派関係者は昨年9月の裁判で、再開を求めたのは下村博文元政調会長だったと証言したが、その下村氏は関与を否定し、21日に公認を受けた。

裏金事件をきっかけにした企業・団体献金見直しの議論も高市政権になって停滞したままだ。

首相と距離を置くベテラン議員の一人は「裏金事件はまだ終わっていない」と危機感を強める。野党は「裏金ほっかむり公認だ」などと勢いづいており、立憲民主党の安住淳幹事長は21日、党本部で記者団に「問題議員を復帰させようとしている」と指摘。「政治とカネ」の問題への姿勢が後ろ向きだとして連立政権から離脱した公明党の幹部は「選挙戦で自民を攻撃する」と言い切った。

【時事通信社】 〔写真説明〕自民党選対本部会議であいさつする高市早苗首相(左から3人目)=21日午後、東京・永田町の同党本部

2026年01月22日 07時07分


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