
2023年2月の東京五輪・パラリンピック談合以来、公正取引委員会による約3年ぶりの刑事告発となった軽油カルテル。「不当な取引制限には厳正に対処していく」。公取委の岩成博夫事務総長は昨年9月、犯則調査権限に基づき強制調査に乗り出したことを明らかにし、告発に向けた決意を示していた。
17日に記者会見に臨んだ山口正行第1特別審査長は「国民生活に広範な影響を及ぼす悪質かつ重大な事案に該当する」と指摘。「物流コストを増加させ、国の(補助金支出の)政策にも方向としては逆行し、国民にも損失を与えるものだ」などと告発に至った理由を説明した。
公取委は昨年2月、長野県内のガソリン価格を巡ってカルテルを結んだ疑いがあるとして、県石油商業組合の立ち入り検査に着手。同5月には、神奈川県内で軽油の販売価格を巡りカルテルを結んでいた疑いで石油販売会社6社を立ち入り検査した。こうした中、東京都内で行われていた今回のカルテル疑惑が浮上した。
石油販売会社が価格調整をすることで物流コストが上昇すれば、最終的には消費者の負担増につながる。中東情勢の悪化で原油価格が高騰する中、公取委の関係者は「国民の暮らしを脅かし、物価高騰に拍車を掛ける」とカルテルの悪質性を強調。公取委は、今後も価格競争を阻害する動きへの監視を強める方針だ。
〔写真説明〕刑事告発について記者会見する公正取引委員会の山口正行第1特別審査長=17日午前、東京都港区
2026年04月18日 07時01分