
最大震度7を観測した熊本地震は発生から1カ月が過ぎたが、被災地では災害ごみの片付けなどに関する要望は多く、ボランティアが汗を流している。ただ、要望件数も日々増えており、現在の体制では追い付かない状況も出ているほか、活動の長期化に伴う先細りも懸念される。
10年前の地震や度重なる豪雨に見舞われてきた熊本県。各地のボランティアセンターの後方支援を行う県社会福祉協議会の藤本武司事務局長は「過去の災害を経験した職員が率先して動き、円滑なセンターの設置や運営ができている」と初動を振り返る。
その上で藤本さんは「活動長期化に伴う先細りは過去にも起きており、今回も懸念される」と指摘。「対策は急務だが、やれることをやるしかない」と語り、SNSやホームページでの発信を通じた参加者募集を続ける。
震度6強の揺れに襲われた八代市では、900棟近くが全半壊するなど、住宅被害は深刻だ。ボランティアセンターを運営する同市社協の松本博昭事務局長によると、住民から寄せられた2000件超の要望はまだ手付かずだ。要望は1日70~80件のペースで増えており、平均150人体制で日々対応するが、1日で処理できるのは20~30件程度という。
松本さんは「年内に全て対応するのはまず無理だろう」とため息をつく。ボランティアによる支援は継続的に求められているが、夏季休暇シーズンの終了なども控え、先行きは見通せない。「他の社協の協力も受けながら人員確保を進めているが、今の活動規模をいつまで維持できるのか」と漏らした。
こうした状況に県も危機感を募らせる。県は29日から、熊本市と八代、宇城、氷川各市町を結ぶ災害ボランティアバスの運行を順次開始。移動の負担を軽減し、県内外から参加者を広く募る狙いで、木村敬知事は「何とぞ多くのボランティアの方にご参加いただきたい」と訴えている。
〔写真説明〕バケツリレーで協力し合い、トラックから水を運び出すボランティアら=27日、熊本県八代市
〔写真説明〕熊本地震の発生から1カ月。震度7を観測し大きな被害が出た熊本県氷川町を歩く人=28日午前
2026年08月29日 07時14分