米・イスラエルによるイラン攻撃から28日で半年が経過、原油輸送の要衝ホルムズ海峡の実質封鎖は海外依存度が高い日本のエネルギーや石油化学製品の供給構造を大きく揺るがした。攻撃前、日本が輸入する原油の9割が同海峡を通過していたため、石油元売り各社は米国などからの代替調達に奔走。「石油化学のコメ」と呼ばれるナフサ(粗製ガソリン)の供給ショックを受け、政府は備蓄制度の復活をにらむ。
中東は依然安価な原油の調達先だが、米イランの和平協議は事実上崩壊。通航正常化が見通せないホルムズ海峡からの依存脱却は、いよいよ待ったなしの状況となってきた。
海峡封鎖を受け、政府は3月から石油の国家備蓄を放出し、供給不安による価格上昇を抑えるとともに代替調達の時間を稼いだ。石油元売り各社は、米国を中心にアゼルバイジャンや南スーダンからもかき集め、7月には攻撃前の水準を確保。同月の貿易統計速報では、中東からの原油輸入量は前年同月比32.8%減少し、同地域への依存度は約6割に低下した。一方、米国からの輸入量は9.1倍に伸びた。
調達多角化の課題は、輸送日数の長期化などに伴うコスト増だ。政府は8月、事業者がホルムズ海峡を通らずに原油を調達する場合に交付金を支給する制度の創設を打ち出した。経済産業省幹部は「地域を限定すると価格が急騰する恐れがある。『海峡リスク』を避け、広く調達したい」と語る。
プラスチック製品や塗料など生活に欠かせないさまざまな製品の原料となるナフサは、約4割を中東から輸入。約4割の国産ナフサも原料は多くを中東に依存し、安定的な供給が脅かされた。ナフサはかつて備蓄義務が課されていたが、コスト負担の重さから1993年に廃止した経緯がある。政府は一連の放出で減少した国家備蓄について、回復に当たってはナフサを国内精製する分も考慮し、原油輸入量の90日分まで積み上げる考えだ。
【時事通信社】
2026年08月28日 01時45分
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