
9月28日に広島市で行われたサッカー日本代表の試合前。平和記念公園でボランティアのガイドを務める広島市在住の村上正晃さん(33)は雨が降る中、ユニホーム姿のサポーターに声を掛け続けた。代表戦を見るために広島を訪れた人たちが、「平和記念公園の成り立ち」「原爆ドームが完全に崩れなかった理由」などをテーマとする話に聞き入った。
幼少期から大学生まで取り組んだサッカーを結び付けて、平和への思いを訴えている。ガイドを始めたのは大学4年の時。平和記念公園で被爆者の話を聞き、知らないことがたくさんあると気付いたのが、きっかけだった。
2017年には当時J1広島の監督で、現在は日本代表を率いる森保一氏を案内した。「広島から平和を、と言ってきたが、聞いた話も、ガイドをしている人のことも知らなかった。恥ずかしい」と言われたという。
就職、結婚をきっかけに一時は広島を離れていたが、今春にガイドを再開した。現在はJリーグの試合がある日を中心に活動。被爆者やガイドの高齢化が進む中、「若い世代が受け継ぎ、伝えていくことが必要」との思いがあるという。「サッカーをきっかけに集まった人にガイドできるのは幸せ。見ただけでは分からないことを伝えたい」。願いを多くの人に届けるため、これからも声を張り上げていく。
【時事通信社】
〔写真説明〕J1広島のユニホームを着て、ガイドをする村上正晃さん=9月28日、広島市
〔写真説明〕J1広島の監督だった森保一氏(右)と、ガイドの村上正晃さん(村上さん提供)
2026年10月14日 14時31分