鹿児島県・屋久島沖で米空軍輸送機CV22オスプレイが墜落した事故で、自衛隊や海上保安庁は1日も、乗員7人が行方不明となっている現場海域周辺で米軍と共に捜索を行った。水中ソナーが投入され、海保の潜水士も動員されているが、乗員に関する手掛かりは得られていない。
第10管区海上保安本部(鹿児島市)は水深約30メートルの周辺海域で、海底地質調査にも用いられる「サイドスキャンソナー」を活用。海底から反射された音波のエコーで機体の可能性がある隆起物を探り、特殊救難隊の潜水士3人が確認作業を行った。
自衛隊は掃海艇や護衛艦など9隻で海中ソナー探査を実施。ヘリコプターなど6機が上空から、陸自約110人が屋久島沿岸で捜索に当たった。米軍も屋久島入りし、陸軍のデビッド・ストーン曹長(42)は「日本の救助に感謝する。不明者の捜索に全力を尽くすことが最優先だ」と語った。
防衛省などによると、横田基地所属の事故機は11月29日に米軍岩国基地(山口県)から嘉手納基地(沖縄県)に向けて飛行していたが、午後2時40分ごろレーダーから機影が消失した。約5分前には屋久島空港への緊急着陸を要請しており、この間にパイロットが機体をコントロールできない状態になったとみられる。機体から火を噴いていたとの目撃証言もある。
【時事通信社】
〔写真説明〕米空軍輸送機CV22オスプレイが墜落した海域で行われる捜索=1日午前、鹿児島県屋久島町
2023年12月01日 22時31分