東京都文京区の東京メトロ南北線東大前駅で東京大3年の男子学生(20)が切り付けられた事件で、逮捕された自称自営業戸田佳孝容疑者(43)が、男子学生について「近くにいたから狙った」と供述していることが9日、捜査関係者への取材で分かった。
男子学生は同容疑者について「面識はない」と話しており、2人の接点は確認されていない。警視庁本富士署は同容疑者が無差別に襲撃したとみて調べている。
捜査関係者によると、同容疑者は男子学生について、「たまたま近くにいたので狙った。この男性(男子学生)を襲った理由は特にない」と供述している。
中学時代に親から、過度な努力を強いる「教育虐待」を受けたことが動機だとした上で、「東大を目指す教育熱心な親たちに、度が過ぎると子どもがぐれて、罪を犯すと示したかった」「世間に自分の考えを示すことができれば、相手が死んでも死ななくてもどちらでもよかった」とも話している。
「東大」の名が付いた駅で襲撃したことに関し、「世間の人たちが教育虐待を連想しやすいと思った」と説明。一方で、襲撃相手が東大生と認識していたかについては、供述していないという。
【時事通信社】
〔写真説明〕留置前診療のため、警視庁本富士署を出る戸田佳孝容疑者=7日、東京都文京区
2025年05月09日 17時48分