【ラスベガス時事】米西部ラスベガスで開かれる家電・IT見本市「CES」に先立ち、米半導体大手エヌビディアのフアン最高経営責任者(CEO)が6日、基調講演した。生成AI(人工知能)技術で自動運転やロボット開発を支援するサービスを紹介。会場を埋め尽くした聴衆を沸かせ、新技術に対する期待の大きさを示した。
見本市は7日に開幕。パナソニックホールディングスの楠見雄規社長も基調講演を予定している。約4500社が出展し、10日までの期間中に計13万人超の来場が見込まれている。
フアン氏は講演で、文章や画像、音声を作る生成AIが仕事を代行する「エージェントAI」へと進化していると説明。「今夜は次の段階、物理的なAIについて話そう」と切り出した。
紹介したのが、現実世界を再現できる生成AIの基盤モデル「Cosmos(コスモス)」だ。2000万時間の動画で物理法則を学習。膨大な費用がかかっていた工場や道路のシミュレーション動画を文章や画像を入力すれば自動で作れる。ロボットや自動運転に搭載されるAIの学習に使うことで、性能を高めることが可能だ。
この日記者会見したソニーグループは、ホンダと共同出資するソニー・ホンダモビリティで開発中の電気自動車(EV)の価格を発表。トヨタ自動車は豊田章男会長が5年ぶりに登壇し、静岡県に建設中の近未来都市「ウーブン・シティ」の一部区画が完成したと説明した。
韓国サムスン電子は、インターネットでつながる家電をAIで一元管理する技術を披露。AIアシスタントが家族メンバーの声を認識し、それぞれに沿った応答ができるようにする。
【時事通信社】
〔写真説明〕基調講演する米エヌビディアのフアン最高経営責任者(CEO)=6日、米ネバダ州ラスベガス
〔写真説明〕新たな生成AI(人工知能)サービスを説明する米エヌビディアのフアン最高経営責任者(CEO)=6日、米ネバダ州ラスベガス
2025年01月08日 12時38分