農林中金、理事長辞任へ=巨額運用損失で事実上の引責



農林中央金庫の奥和登理事長(65)が3月末にも辞任する意向を固めたことが18日、分かった。外債運用の失敗で巨額損失を発生させた問題を受けた事実上の引責とみられる。後任には北林太郎常務執行役員(54)を昇格させる方向で調整している。近く開く経営管理委員会で内定する。

理事長の任期は1期3年。奥氏は2018年6月に就任し、昨年6月から3期目に入っていたが、運用失敗への対応に一定のめどが付いたことも踏まえて任期途中で退く。

農林中金では、海外金利上昇に伴い保有債券の含み損が24年3月末時点で2兆円超に拡大。収益が圧迫され、売却による損失確定を余儀なくされた。このため、24年4~12月期連結決算では純損益が1兆4145億円の赤字となった。25年3月期通期の赤字額は1.5兆~2兆円規模に膨らむ見通しだ。

農林中金は、運用資産入れ替えのための投資余力を確保するため、総額1.4兆円規模の増資も進めており、来年度の黒字化を目指している。

【時事通信社】 〔写真説明〕奥和登

農林中央金庫理事長

2025年02月19日 12時36分


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