石破茂首相は21日の衆院予算委員会で、医療費の患者負担を抑制する「高額療養費制度」の負担上限額を引き上げる政府方針の見直しを巡り、「激変緩和に最大限配慮する」と強調した。上限額の積算根拠となる所得区分を、より細分化するなどと説明。「制度維持にも十分配意したものだ」と理解を求めた。
政府は患者団体などの反発を踏まえ、年4回以上の利用は上限額を据え置く方向。立憲民主党の酒井菜摘氏は患者らとの面会を促したが、首相は「知識と経験を有する者が対応することが大事だ」と拒んだ。
立民の藤岡隆雄氏は、新型コロナウイルス関連の基金残高が8000億円程度に上るとして、高額療養費制度の維持に回すよう主張した。首相は、一般論と断った上で「基金は常に不断の見直しを行う。必要なら国庫返納も踏まえ、改善する点は改善する」と述べた。
【時事通信社】
〔写真説明〕衆院予算委員会で質問を聞く石破茂首相(中央)=21日午後、国会内
2025年02月21日 17時41分