石破茂首相は11日、看板政策「地方創生2.0」の具体化を目指し、全国行脚をスタートさせた。この日は福島市でロボット製造企業の研究開発拠点を視察。地方での新たな産業の創出に向け、関係省庁会議を立ち上げると表明した。首相としては夏の参院選をにらみ、全国で「地方重視」をアピールして支持拡大を図る狙いもありそうだ。
首相は11日、ロボットなどの試作品製作を手掛ける菊池製作所(東京都八王子市)が福島市に置く研究開発施設を視察。人の動きを人工筋肉でサポートする「パワーアシストスーツ」などの機能を体験し、起業家らとの車座対話に臨んだ。
この後、福島などの取り組みを「好事例」として全国に広げるため、「地方創生イノベーション構想関係省庁会議」を発足させると記者団に説明。「令和の日本列島改造を推し進める。各地にイノベーション拠点を整備し、スタートアップ(新興企業)や成長企業の集結を促したい」と語った。
首相は福島を出発点に、今後、全国行脚を加速させる意向だ。15日には医療や物流の分野でデジタル活用を推進する長野県伊那市を訪問。来月13日には神戸市の視察を計画している。各界の関係者と各地で対話を重ね、今年夏の取りまとめを予定する「基本構想」に反映させたい考えだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕菊池製作所おおざそう研究所を視察し、アシストスーツを試着する石破茂首相(中央)=11日午後、福島市(代表撮影)
〔写真説明〕菊池製作所おおざそう研究所を視察し、菊池功社長から説明を受ける石破茂首相(右から2人目)=11日午後、福島市(代表撮影)
2025年03月11日 20時14分