自民党派閥の裏金事件を巡り、旧安倍派幹部だった世耕弘成前参院幹事長(自民離党、現衆院議員)の参院予算委員会への参考人招致は、自民、立憲民主両党が「月内実現」で合意したものの、見通しは立っていない。世耕氏が出欠を明言しておらず、自民側も「本人の判断だ」として積極的に説得に動く気配がないためだ。
参院予算委は3月28日、全会一致で世耕氏の招致を議決した。ただ、議決に強制力はない。自民の石井準一参院国対委員長は今月1日の記者会見で「出席の意向であれば(参院の)事務方が『こういう手順で行う』と丁寧に説明する」と述べ、党側が直接説得に乗り出すことには慎重な姿勢を示した。
立民は元幹部4人の招致を要求していた。自民は2025年度予算を年度内に成立させるために世耕氏の招致のみを受け入れた。世耕氏は議決翌日のコメントで「事前の打診がなく、説明を受けたい」と不満を隠さず、「所属する衆院自民会派と相談し判断したい」との考えを示していた。
招致について、自民内では「予算と引き換えだから仕方ない」(参院若手)として応ぜざるを得ないとの声が多い。旧安倍派は、昨年1月の解散決定まで参院自民内でも最大勢力を誇った。無派閥のベテラン議員は2日、取材に「旧安倍派は幅を利かせてきた」と批判した。元幹部が説明責任を果たしていないことが、夏の参院選に影響を与えるとの危機感が党内にある。
森山裕幹事長は1日の記者会見で「本人の判断だ」と述べるにとどめた。関係者によると、世耕氏は複数の党幹部に電話し、招致に応じるべきか感触を探っているという。
立民は衆院予算委でも、元幹部4人の参考人招致を要求。商品券配布問題を受けた石破茂首相の政治倫理審査会での弁明実現や「政治とカネ」の集中審議も通じ、参院選に向けて自民を揺さぶりたい考えだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕世耕弘成
衆院議員
〔写真説明〕自民党本部を出る石破茂首相(中央)=2日午後、東京・永田町
2025年04月03日 07時07分