
一般会計総額が過去最大の122兆円超に上る2026年度予算が7日、成立した。「金利ある世界」への移行で、国債の償還や利払いに充てる国債費が膨らみ、財政は厳しさを増す。さらに中東情勢の緊迫化による原油価格高騰を受け、補正予算案の編成論が浮上。「責任ある積極財政」を掲げる高市早苗首相は「補正を前提とした予算編成との決別」を表明するも、早くも暗雲が立ち込め、財政健全化目標の達成は困難な状況だ。
26年度予算はインフレに伴う税収増などで、一般会計ベースの基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)は28年ぶりに黒字化した。片山さつき財務相は予算成立後、財務省内で記者会見し、「重要施策はしっかり増額し、財政の持続可能性に十分配慮している」と強調した。ただ、政府が26年度までの黒字化を目指す国・地方のPBは、0.8兆円の赤字となる見通しで、目標達成は厳しい。
高市政権は、エネルギー高の影響を和らげようと懸命で、ガソリン価格抑制の補助金に1兆円超を確保した。ただ、原油価格が高止まりすれば、財源は数カ月で枯渇する。夏場の電気・ガス代の高騰対策を含め、与党内で補正予算が必要との声が上がる。追加の経済対策でPB赤字は一段と悪化しかねない。
高市政権はPB目標を「数年単位でバランスを確認する方向」に見直す方針。さらに人工知能(AI)・半導体や量子など17分野での成長投資に向け、予算の予見可能性を高めて民間投資を促すために「必要な予算は可能な限り当初予算で措置する」と強調する。「大改革」は27年度予算案の概算要求から着手するが、政府関係者は「必要なものを全部となれば各省の要求額は膨らむ」と懸念する。年央に策定する経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」では、財政規律の在り方が焦点となる。
年内の安全保障関連3文書改定を受けた27年度以降の防衛費引き上げも課題だ。国内総生産(GDP)比2%とする目標を25年度に前倒し達成したが、財源となる防衛増税は4月に始まったばかりだ。さらに、ガソリン・軽油の暫定税率廃止に伴う代替財源にめどがつかず、食料品の消費税ゼロを実施すれば、税収に年5兆円もの穴が開く。
金融市場では、エネルギー高対策による財政悪化懸念から、長期金利は約27年ぶりの高水準を付けた。対策の財源を安易に赤字国債に頼れば、さらなる金利上昇で国債費が膨らみ、一段と財政運営を圧迫する事態となる。
【時事通信社】
〔写真説明〕2026年度予算の成立を受け、記者団の取材に応じる片山さつき財務相=7日午後、財務省
2026年04月08日 07時06分