【ワシントン時事】3日に公表された3月の米雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月比17万8000人増と、市場予想の約3倍の伸びを記録した。労働市場の底堅さを改めて示したが、前月の大幅減から戻した面も強く、構造的なもろさが見え隠れする。米イスラエルの対イラン軍事作戦をきっかけとした原油高が長引けば、雇用や景気に影響が及ぶのは必至だ。
「規制緩和や減税といったあらゆるポジティブな政策のおかげで、非常に勢いがある」。ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長は米テレビのインタビューで、強い雇用情勢は政策効果だと自賛した。
だが、3月の就業者数急増は、看護師ストや大寒波の影響で13万3000人減に沈んだ2月の反動という側面が大きい。米テレビに出演したファーガソン元連邦準備制度理事会(FRB)副議長は「ここ2、3カ月の就業者数の増減をならせば、それほど騒ぐことではない」と話した。
3月の失業率は前月比0.1ポイント低下の4.3%と、こちらも予想に反して改善した。トランプ政権の移民規制強化や人口の伸び鈍化で、労働参加率が下がったことが背景とみられる。労働市場は需給ともに減る「低雇用・低解雇」の状況が続く。
イラン紛争に終わりは見えず、原油輸送の要衝ホルムズ海峡の事実上封鎖と油価高騰は長期化の様相を帯びつつある。ハセット氏は「(イランを巡る)われわれの計画を果たせば、事態は速やかに正常化する」と繰り返したが、かえって打つ手のなさを浮き彫りにした格好だ。
景気の先行き不透明感もくすぶる。リッチモンド連邦準備銀行のバーキン総裁は先月末の講演で「歴史的に石油価格ショックは景気後退を伴うことが多かった」と述べ、警戒感をあらわにした。
【時事通信社】
2026年04月05日 07時04分
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