
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ再開が後ずれする公算が大きい。金融市場では6月の再開が有力視されていたが、米イスラエルとイランの紛争に伴う原油価格急騰でインフレ高進懸念が拡大。FRBが影響を見極めるため様子見を続けるとの観測を背景に、再開時期は早くて今秋ごろになるとの見方が浮上している。
イランが原油輸送の要衝ホルムズ海峡を事実上封鎖したことで供給不安が台頭し、米原油先物相場は3月上旬、1バレル=119ドルを突破。ロシアによるウクライナ侵攻直後以来、約3年9カ月ぶりの高値を付けた。米国では航空運賃やガソリン価格も高騰し、3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.3%上昇と、伸び率が前月(2.4%)から急加速した。
FRB高官は中東情勢悪化を受け、「全体的なインフレ率が押し上げられている」(ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁)と警戒。利下げで景気を刺激するとインフレをさらに助長しかねず、金融緩和に前向きな「ハト派」として知られるウォラー理事でさえも、紛争長期化リスクを念頭に利下げに慎重な考えをにじませた。
米国野村証券は足元の原油高などを踏まえ、利下げ再開の見通しを従来の6月から9月に変更。利下げに前向きとみられるウォーシュ次期FRB議長の議会承認が遅れており、パウエル現議長の任期が切れる5月中旬に交代できない可能性も考慮した。
一方、イランのアラグチ外相が17日、ホルムズ海峡の全面開放を発表したことを受け、同日の原油相場は一時80ドル台に急落。ピーク時から3割下がったものの、中東情勢を巡る不透明感は依然くすぶったままだ。市場参加者の一部からは原油高が長引き、「年内の利下げはない」(邦銀)との声も出始めた。
【時事通信社】
〔写真説明〕米連邦準備制度理事会(FRB)本部=ワシントン(AFP時事)
2026年04月19日 07時05分