
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)の第17代議長にケビン・ウォーシュ氏が22日、就任した。同氏はホワイトハウスで行われた宣誓式で「過去の成功と失敗から学び、改革志向のFRBを主導する」と表明。金融緩和を望むトランプ大統領の圧力で脅かされているFRBの独立性堅持や、中東情勢の悪化で強まるインフレ懸念など、多難な船出となる。
ウォーシュ議長の任期は2030年5月21日までの4年。
FRB議長の宣誓式がホワイトハウスで開かれるのは、1987年のグリーンスパン氏以来。ウォーシュ氏は「独立性と決意を持って目的を追求すれば、インフレは低くなり、米国はより繁栄する」とし、物価安定と雇用最大化という二大責務を果たす決意を誓った。トランプ氏から指名を受けただけに利下げを模索するとみられるが、この日は金融政策について言及しなかった。
宣誓式に立ち会ったトランプ氏は「FRBは世界金融システムの支柱だ。ウォーシュ氏ほど準備が整った人物はいない」と強調。「完全に独立していてほしい」と語り、新体制を見守る考えを示した。一方で「前任者の一部と異なり、(ウォーシュ氏は)経済の拡大は良いことだと理解している」とも述べ、金融政策が経済成長を妨げることがないようくぎを刺した。
トランプ氏は、8年間続いた前任のパウエル議長体制では執拗(しつよう)に利下げを求めた。ただ、足元では米イスラエルとイランの紛争に伴う原油高でインフレ懸念が広がっており、景気を刺激する利下げは困難な情勢。FRBは金融緩和に慎重な「タカ派」色を強めており、ウォーシュ氏は当面、金融緩和に積極的な「ハト派」色を抑え、慎重な政策運営に徹するとの観測もある。
次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は6月16、17両日に開かれる。
【時事通信社】
〔写真説明〕22日、米ワシントンのホワイトハウスで宣誓する連邦準備制度理事会(FRB)新議長のケビン・ウォーシュ氏(AFP時事)
〔写真説明〕22日、米ワシントンのホワイトハウスでトランプ大統領(右)と握手する連邦準備制度理事会(FRB)新議長のケビン・ウォーシュ氏(AFP時事)
2026年05月23日 14時33分