
沖縄の本土復帰後15回目の県知事選が27日、告示される。知事選では過去30年近く米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設の是非が争点となってきたが、今回問われるのは何か。琉球大学の我部政明名誉教授(国際政治学)に、変わりゆく沖縄の政治・社会の現在地を聞いた。
―辺野古移設案の浮上から8回目の知事選だ。
普天間返還合意から30年だが、返還がいつ実現するのか、いまだに見通しが立たない。辺野古移設を止める(中央)政治の力もない。知事に権限はなく、4年間の任期でコントロールできる性格のものでもない。(辺野古移設の是非は)選挙で問われるものとして有権者の関心が薄れてきている。一方で普天間問題自体は米国の大きな戦略・大局の中に組み込まれ、解きほぐせなくなってきた。問題の根は深くなっている。
―この30年、県民は米軍基地受け入れ反対か経済振興かという問いを突き付けられてきた。
そうした難しい選択肢より、誰を選ぶか(の選択)になってくるのではないか。希望、夢を見せてくれるのは誰か。圧倒的に強い争点はなく、争点は「あれもこれも」と相対化し、対立軸は希薄化している。有権者の関心はかなり拡散している。
―移設反対派の船が辺野古沖で転覆し、女子高生らが死亡した事故の影響は。
あると思うが、そんなに大きくない。(事故は)反対運動とは関係ないというのが合理的な判断だ。ただ、事故を起こした責めは否定できず、浮動層には浸透しやすい。
―この30年で沖縄の政治・社会は変わったか。
自民党が弱いのが沖縄政治の一つの特徴だった。沖縄が日本の安全保障政策と深くつながっていたからだ。沖縄政治には保守政権との利益の衝突(の側面)があった。ただ、有権者は変わり、地縁は薄らいだ。本土復帰から50年以上経過し、自分たちも日本の一部だと考える人が多くなった。日本化が進み、沖縄政治の構造も変わってきた。(今回の知事選は)大きな変わり目だろう。
【時事通信社】
〔写真説明〕インタビューに応じる琉球大学の我部政明名誉教授=24日、那覇市
2026年08月27日 07時10分