教員にも「余白」確保=「裁量的時間」で校内研修も―調整授業時数制度・新要領



次期学習指導要領では、小中学校が教科ごとの授業時数を組み替え、児童生徒の個別学習や教員の研究研修に充てられる「調整授業時数制度」が創設される。学校の裁量を広げることで、学びの質を向上させる「余白」を子どもと教員の双方に生み出す狙いがある。

日本は国際的な学力調査で高水準を維持する一方、平均的な学力の児童生徒を基準にした画一的な教育課程では、理解の早い子とつまずきのある子の双方に対応しにくいことが課題となっていた。教員も授業の準備や成績処理などに追われ、指導改善のための時間確保が難しい状況にある。

新制度では、標準授業時数が年間35コマを超える教科などを対象に、それぞれ最大15%程度まで標準を下回って編成できるようになる。浮いた時間は、他教科への上乗せや学校独自の新教科設置のほか、教員の研修にも使える「裁量的な時間」に振り替え可能。制度の利用は義務ではなく、各学校が子どもや地域の実情に応じて判断する。

裁量的な時間は年間最大70コマ程度。このうち「学習枠」は、子どもの探究の深掘りや苦手分野の学び直し、個別指導などに使える。教員向けの「研究・研修枠」は年最大35コマ(週1コマ)程度とし、教材研究や校内研修、子どもの情報の共有などに活用できる。

導入に当たっては、削減後の時数でも指導できる教科書づくりや、各校に合った調整例の共有などが課題となる。中央教育審議会での議論に臨時委員として携わった全国連合小学校長会の松原修会長は「制度ありきで導入すれば本末転倒になる。保護者や地域と対話し、各校が必要な範囲を見極めて段階的に活用していくことが重要だ」と話している。

【時事通信社】 〔写真説明〕学校の授業風景(資料写真)

2026年08月31日 15時38分


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